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半導体ニュース 2026年10月のまとめ〜HBM4・GaN・ASML

シリコンウエハーを中心に、市場・デバイス・プロセス・装置・材料を表す5つのモチーフを配した図解イラスト ニュース
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2026年10月(10月1日〜31日)に発表された半導体業界の動きから、マーケット、デバイス、プロセス、装置、材料の5分野で、ものづくりへの影響が大きいと考えられるトピックを1〜2件ずつ選んでまとめました。数値や日付は、各トピックの末尾の番号で示した出典に基づいています。

マーケット

300mmファブの装置投資、2026年は前年比31%増の1490億ドルとSEMIが予測

SEMIは10月13日(米国時間)、最新の「300mm Fab Outlook」で、世界の300mm前工程ファブの装置投資額が2026年に前年比31%増の1490億ドルに拡大するとの予測を発表しました。投資額は2029年まで2桁成長を続け、2029年には2270億ドルに達する見込みです。背景として、AIやハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けに、最先端のロジックやメモリの生産能力の増強が進むことが挙げられています[1]。

研究開発専用のファブを除くと、300mmファブや製造ラインの建設開始は、2026年に20件、2027年に18件の見通しです。建設投資額は、2026年に前年比23%増の475億ドル、2027年に同33%増の633億ドル、2028年に684億ドルと予測されています。地域別では、米州のファブ装置投資額が2026年の181億ドルから2029年には406億ドルに増える見通しです[1]。

経済産業省、Rapidusに4000億円を追加出資する計画

経済産業省は10月19日、Rapidusに対し、2027〜2029年度の3年間で計4000億円を追加出資する計画を明らかにしました。計画がすべて実施されると、政府の累計出資額は6500億円になります。Rapidusは、2027年度後半に予定する2nm世代の半導体の量産開始に向けて、民間金融機関から計2兆円の融資を調達する計画で、追加出資には自己資本を強化して融資を受けやすくする狙いがあるとみられています[2]。Rapidusのこれまでの経緯は、Rapidusの記事で解説しています。

デバイス

HBM4の量産が本格化、SamsungはHBM4Eを2027年上半期に量産へ

SK hynixは10月28日に第3四半期の決算を発表し、売上高104.6兆ウォン、営業利益83.33兆ウォンを計上したと報じられています。同社は、第4四半期にはHBM4が出荷量と売上高の両方でHBM3Eを上回るとの見通しを示しました。HBM4の増産に向けて、第6世代の10nm級DRAMプロセス(1c)での生産を増やすとともに、M15X工場を年末までにフル稼働させる計画です。また、AIアクセラレータ向けのHBMなどは2029年まで完売しており、2027〜2028年の生産能力の50%超が長期契約でカバーされているとしています[3]。

Samsung Electronicsは10月29日、第7世代のHBMであるHBM4Eを2027年上半期に量産開始し、下半期に増産する計画を示したと報じられています。同社は、2027年のHBMの供給はすでに完売しているとも説明しました[4]。HBMの構造や用途については、DRAMとHBMの記事で解説しています。

プロセス

Infineon、300mmウエハーでGaNパワー半導体の量産へ

Infineonは10月27日、オーストリア・フィラハの拠点に2034年までに約11億ユーロを投資し、300mmウエハーで窒化ガリウム(GaN)パワー半導体の大量生産を立ち上げると発表したと報じられています。生産開始は2027年末までの予定です。既存のクリーンルーム内に新しいラインを設けるため、新工場を建てるより費用を抑えられるとしています[5][6]。

300mmウエハーは、現在GaNで多く使われている200mmウエハーと比べて、約2.3倍のチップを取れるとされます。同社は2024年に初めて300mmのGaNウエハーを処理しており、その技術を量産に移す形です。欧州委員会は、EUチップス法に基づき3億1900万ユーロの国家補助を承認しています[5][6]。GaNパワー半導体と基板については、GaNパワー半導体の記事とGaN基板・エピウエハの記事をご覧ください。

NTTなど5社、光チップレットの生産技術の開発がNEDOに採択

NTT、NTTイノベーティブデバイス、ジャパンセミコンダクター、古河電気工業、新光電気工業の5社は10月20日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募で、光チップレットの生産技術に関する研究開発テーマが採択されたと発表しました。光デバイスの製造から検査、光接続、パッケージ実装まで一貫した量産技術を確立し、研究開発の時点と比べて10倍以上の生産性向上を目指します。次世代のAI計算基盤に求められる、高速・大容量・低消費電力のデータ伝送の実現と、光電融合デバイスの早期実用化、国内の製造基盤の強化が目的です[2]。

同じ週には、東北大学が先端パッケージング/ヘテロ集積化技術の研究開発コンソーシアム「T-CHIPS」の発足を発表しました(10月21日)。会員企業は、同大学が保有する300mmウエハー対応の先端パッケージング関連装置などを利用できます[2]。光デバイスのプロセスについては、シリコンフォトニクスの記事で解説しています。

装置

ASML、第3四半期の売上高が過去最高、2028年の追加増産を検討

ASMLは10月14日、2026年第3四半期の決算を発表しました。売上高は前四半期比25.0%増の116億6200万ユーロ、純利益は49億6000万ユーロで、四半期の売上高として過去最高を更新しました。同社は、現在の供給計画では2027年と2028年の需要を満たせないとして、2028年の追加増産を検討していることを明らかにしました。2029年や2030年の発注に関心を示す顧客も出てきているとしています[7]。

製品面では、第3四半期に次世代の重ね合わせ計測装置「YieldStar 550」を出荷しました。先端ロジックと先端メモリのプロセスノードを対象に、回路パターンの各レイヤの重ね合わせ精度を計測する装置です。各レイヤの位置が設計からずれると、トランジスタや配線が正しく接続できず、歩留まりの低下につながるおそれがあります[7]。露光装置については、露光装置の記事で解説しています。

材料

東京応化工業、郡山工場のフォトレジスト新製造棟が完成

東京応化工業は10月、郡山工場(福島県郡山市)に建設していた半導体用フォトレジストの新製造棟が完成したと発表しました。2024年7月に着工し、2026年10月に竣工したもので、2026年11月から稼働する予定です。建築面積は4800m²、投資額は約230億円です。郡山工場では、EUV露光装置用やArF用をはじめ、各種の半導体用フォトレジストを製造しています。新製造棟は、フォトレジストの高品質化、供給能力の拡大、生産効率の改善を目的としています[8]。フォトレジストの種類や役割については、フォトレジストの記事をご覧ください。

まとめ

今回取り上げた2026年10月のトピックでは、AIやHPC向けの需要を背景に、生産能力の増強に関わる発表が目立ちました。SEMIは300mmファブの装置投資が2029年まで2桁成長を続けると予測し、ASMLは2028年の追加増産の検討を明らかにしました。デバイスではHBM4の量産が本格化し、材料では東京応化工業がフォトレジストの新製造棟を完成させています。プロセスでは、InfineonによるGaNパワー半導体の300mm化や、光チップレットの量産技術の開発など、次の製造基盤に向けた取り組みが進みました。

参考サイト一覧

  1. 世界で300mm半導体工場の建設相次ぐ、装置投資は2029年に2270億ドルへ SEMI予測(マイナビ TECH+、2026年10月17日)
  2. 次世代半導体の基盤作りが進展 2nmや光チップレットも:5分で分かる!今週のエレクトロニクス業界(EE Times Japan、2026年10月24日)
  3. SK hynix pledges to return $75 bil. to shareholders(The Korea Times、2026年10月28日)
  4. Samsung to Mass-Produce 7th-Gen HBM in First Half of 2027(Seoul Economic Daily、2026年10月29日)
  5. Infineon to invest €1.1bn in Austrian plant for gallium nitride chips(TNW、2026年10月27日)
  6. Infineon to invest €1.1 billion in 300mm GaN production in Villach(evertiq、2026年10月27日)
  7. ASMLの2026年第3四半期売上高は過去最高の117億ユーロ、AI需要で2028年の追加増産を検討(マイナビ TECH+、2026年10月15日)
  8. 「世界最大級」フォトレジスト製造棟が完成 東京応化工業:郡山工場で2026年11月から稼働(EE Times Japan、2026年10月13日)
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