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ウエハ・基板用半導体洗浄装置|種類・原理・市場動向・主要メーカーを解説

装置
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半導体製造プロセスの中でも、最も工程数が多いのが洗浄工程です。半導体・電子デバイスの製造において、洗浄プロセスはデバイスの性能と信頼性に直結する重要な工程です。特に、ウエハ表面のウォーターマークやパーティクル(微小なゴミや不純物)の除去は、デバイスの品質向上に欠かせません。ウエハや基板の表面に付着したパーティクル、金属、有機物の除去の他、結晶ダメージや変質層なども、プロセスに悪影響を及ぼす汚染として、洗浄工程でこれらを除去します。

洗浄装置に関する最新ニュース

  • SCREENとIBMがHigh NA EUV向け洗浄プロセス開発で合意(2025年9月)
    SCREENセミコンダクターソリューションズとIBMは2025年9月24日、次世代EUVリソグラフィ(High NA EUV)向けの洗浄プロセス開発に関する合意を締結しました。High NA EUVは2nm以降のノードで必須となる露光技術であり、微小なパーティクルや傷がパターニング性能に直接影響するため、洗浄プロセスの重要性がかつてなく高まっています。IBMのプロセスインテグレーション知見とSCREENの洗浄技術を組み合わせ、sub-2nm製造の実現を目指すとされています。(出典:SCREEN公式発表)
  • SCREEN洗浄装置の累計出荷台数が15,000台を突破(2025年7月)
    SCREENセミコンダクターソリューションズは2025年7月1日、半導体洗浄装置の累計出荷台数が15,000台を突破したと発表しました。SUシリーズ(枚葉式)、FCシリーズ(バッチ式)、SSシリーズ(スピンスクラバ)が中心となっています。同社は洗浄装置の世界シェアNo.1(同社調べ)を維持しながら、後工程分野への展開や米国R&D拠点設立へも動いているとされます。(出典:SCREEN公式発表)
  • SCREENが200mmウエハ対応枚葉式洗浄装置「SS-3200 for 200mm」を発売(2024年12月)
    SCREENセミコンダクターソリューションズは、200mmウエハ対応枚葉式洗浄装置「SS-3200 for 200mm」の販売を開始しました。ウエハを柔らかいブラシと純水で物理的に洗浄するスクラバ方式を採用しており、最大毎時500枚の処理能力を実現しています。パワーデバイス向け洗浄装置としても適しており、半導体製造業界に新たな選択肢を提供します。

洗浄装置とは?

半導体製造における洗浄の重要性

ウエハ洗浄装置は、半導体製造プロセスにおいて欠かせない重要な装置です。半導体の表面から有機物や汚染物質、付着物(パーティクル)などの不要なものを除去する工程を担います。洗浄工程は全行程の約30%を占めるとも言われ、その除去率の高さによって生産性が大きく左右されます。つまり、半導体製造においては、洗浄の質を向上させることが半導体の技術・性能向上につながると言っても過言ではありません。

特に近年は、2nm以降のノードを対象としたHigh NA EUVリソグラフィの普及に伴い、ウエハ表面のわずかなパーティクルや傷がパターニング精度に直結するため、洗浄プロセスへの要求水準はかつてなく高まっています。

洗浄装置の基本的な機能

ウエハ洗浄装置は、主に薬液や純水を使用してウエハ表面の汚染物質を除去します。一般的な洗浄プロセスでは、薬液による洗浄、純水によるリンス、そして乾燥の3つの工程が含まれます。最新の装置では、これらの工程を高速かつ効率的に行うことができ、半導体の品質と生産性の向上に大きく貢献しています。

洗浄で除去される主な汚染物質

ウエハ洗浄装置で除去される主な汚染物質には、以下のようなものがあります。

  1. ゴミ・塵埃(パーティクル):サイズは最大で数μm、最小では0.1μm以下
  2. 金属汚染:蒸発したナトリウム分子や、薬液に含まれる微量な重金属原子など
  3. 有機汚染:炭素を含む有機物や薬液に含まれる微量の炭素分子など
  4. 油脂:汗に含まれる油分など
  5. 自然酸化膜:大気中の酸素と結合して生じる10〜20nmの酸化膜

これらの汚染物質を効果的に除去することで、半導体デバイスの性能と信頼性を確保しています。

洗浄装置の市場規模

最新の市場規模予測

洗浄装置市場の規模については、調査会社によって推計値が大きく異なります。以下に主要な調査会社の最新予測をまとめます。

  • SDKI Analytics(2026年調査):2025年時点で約62億米ドル、2035年には約131億米ドル(年平均成長率約7.7%)と推計しています。(出典:SDKI Analytics / atpress)
  • SNS Insider(2025年12月):2025年時点で約102億米ドル、2033年には約156億米ドル(年平均成長率約5.43%)と推計しています。(出典:SNS Insider / Yahoo Finance)
  • Mordor Intelligence(2026年):2025年時点で約64億米ドル、2031年には約99億米ドル(年平均成長率約7.52%)と推計しています。(出典:Mordor Intelligence)

上記のように調査会社間で数値に大きな差があります。各予測には使用する定義範囲や調査手法の違いが影響しており、市場規模の参照にあたっては出典・前提条件を確認することが重要です。いずれの予測においても、年平均成長率は5〜8%台で中長期的な成長が見込まれている点は共通しています。

地域別の市場動向

洗浄装置市場は、地域によって異なる成長パターンを示しています。北米地域では、半導体産業の拡大、技術の進歩、電子機器需要の高まりにより、市場が力強い成長を示しています。一方、欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域では、半導体産業の急成長に牽引され、着実な成長を遂げています。アジア太平洋地域も、特に中国や台湾、韓国などの半導体製造大国の存在により、市場の拡大が期待されています。

日本国内においても、Rapidusが2027年の2nm GAA(ゲート・オール・アラウンド)製造量産を目標として開発を進めており、国内の洗浄装置需要拡大にも寄与する見通しです。

市場成長の主な要因

洗浄装置市場の成長を後押しする主な要因には以下のようなものがあります。

  1. AIプロセッサ・HBM・GAA構造ロジックなど先端半導体の需要増加
  2. 3D NAND・先端パッケージング・SiC/GaNデバイスなどの新たな需要領域の拡大
  3. 半導体の微細化プロセスの進展(2nm以降のノードへの対応)
  4. MEMS技術の世界的な採用拡大
  5. タブレット端末やスマートフォンの普及拡大
  6. IoTや人工知能(AI)の発展に伴う半導体需要の増加
  7. 環境に配慮した洗浄ソリューションへの需要増加

これらの要因により、洗浄装置市場は今後も持続的な成長が見込まれています。特に、先端ノード向けのHigh NA EUV対応洗浄プロセスや、AIチップ製造に向けた高スループット洗浄装置の需要が新たな成長ドライバーとして注目されています。(出典:openPR)

洗浄装置の主な用途

半導体デバイス製造プロセス

ウエハ洗浄装置は、半導体デバイス製造プロセスの様々な段階で使用されます。主な用途には以下のようなものがあります。

  1. ウエハ製造後の初期洗浄:ウエハ表面の不純物や微細な傷を除去
  2. フォトリソグラフィー工程前後の洗浄:レジスト塗布前の表面クリーニングや、エッチング後の残留物除去
  3. 成膜工程前後の洗浄:薄膜形成前の表面準備や、不要な堆積物の除去
  4. 検査・組み立て前の最終洗浄:デバイスの性能と信頼性を確保するための最終クリーニング

これらの各段階で適切な洗浄を行うことで、半導体デバイスの品質と歩留まりを向上させることができます。

パワーデバイス製造

パワーデバイス製造においても、ウエハ洗浄装置は重要な役割を果たしています。パワーデバイスは高電圧・大電流を扱うため、表面の清浄度が特に重要です。主な用途には以下のようなものがあります。

  1. SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などの新材料ウエハの洗浄
  2. トレンチ構造やスーパージャンクション構造などの複雑な表面形状の洗浄
  3. 高温プロセス後の残留物除去

最新のウエハ洗浄装置は、これらの要求に対応するため、高い洗浄効果と柔軟性を備えています。

MEMS(微小電気機械システム)製造

MEMS製造プロセスにおいても、ウエハ洗浄装置は欠かせません。MEMSデバイスは微細な3D構造を持つため、従来の半導体デバイスとは異なる洗浄要件があります。主な用途には以下のようなものがあります。

  1. 深掘りエッチング後の残留物除去
  2. 犠牲層エッチング後の構造物洗浄
  3. リリース工程後の乾燥(スティクション防止)

最新のウエハ洗浄装置では、MEMSの特殊な要求に対応するため、ホットプレートなどのオプション機能を備えているものもあります。これにより、MEMSデバイスの製造における歩留まりと信頼性の向上に貢献しています。

AI・先端パッケージング・GAA対応分野

近年、AIプロセッサやHBM(高帯域幅メモリ)の製造、ゲート・オール・アラウンド(GAA)構造を採用したロジック半導体、3D NANDフラッシュメモリ、先端パッケージングなどの分野が洗浄装置の新たな需要領域として台頭しています。これらの製品は複雑な三次元構造や極めて微細なパターンを持つため、従来以上に高い洗浄性能が求められます。(出典:openPR)

洗浄装置の種類

バッチ式洗浄装置

バッチ式洗浄装置は、一度に複数のウエハをまとめて洗浄する方式です。通常、25枚または50枚のウエハを同時に処理することができ、大量生産に適しています。この方式の主な特徴は以下の通りです。

  1. 高い生産効率:一度に多数のウエハを処理できるため、生産性が高い
  2. コスト効率:大量生産に適しているため、設備投資コストを抑えられる
  3. 処理の均一性:同一条件で複数のウエハを処理するため、均一な洗浄が可能

バッチ式洗浄装置には、さらに「多槽式」と「単槽式」があります。多槽式は複数の処理槽を使用し、より高い処理能力を実現します。一方、単槽式は一つの洗浄槽で複数のウエハを同時に処理します。

枚葉式洗浄装置

枚葉式洗浄装置は、一度に1枚のウエハを個別に洗浄する方式です。この方式の主な特徴は以下の通りです。

  1. 精密な洗浄:各ウエハの状態に応じた最適な洗浄が可能
  2. 柔軟性:プロセス条件の変更が容易で、多品種少量生産に適している
  3. 薬液使用量の削減:バッチ式に比べて薬液の使用量が少ない

枚葉式洗浄装置は、ウエハを水平方向に回転させながら、ノズルから薬液をスプレー状に吹き付けて洗浄します。微細な汚れや粒子を効果的に除去できるため、高度な洗浄が要求される場合に適しています。

SCREENの現行最上位枚葉式洗浄装置SU-3400は、毎時最大1,200枚という高スループットを実現しており、24チャンバ・6段タワー構造を採用しています。先代機種比でフットプリントを30%削減、環境負荷を20%低減したとされています。(出典:SCREEN公式製品ページ)

スクラバ方式洗浄装置

スクラバ方式洗浄装置は、ウエハを柔らかいブラシと純水で物理的に洗浄する方式です。この方式の主な特徴は以下の通りです。

  1. 高い洗浄効果:物理的な洗浄により、頑固な汚れも効果的に除去
  2. 環境負荷の低減:純水を使用するため、有害な化学物質の使用を抑制
  3. 多様なデバイスへの対応:パワーデバイスやMEMSなど、様々な種類の半導体デバイスに適用可能

最新のスクラバ方式洗浄装置では、高速処理と環境負荷低減を両立しています。SCREENセミコンダクターソリューションズの「SS-3200 for 200mm」は、最大毎時500枚の処理能力を実現しつつ、ウエハ1枚当たりの純水使用量を削減しています。

主な洗浄プロセス

対象基板

電子デバイス分野の洗浄装置は、シリコンウエハやSiC化合物ウエハなど円形の基板の他、プリント基板(樹脂)、液晶パネル(ガラス)やシリコン太陽電池セル、セラミック基板の製造で用いられる角型基板といった様々な形状・仕様の基板に対応した製造装置が市販されています。

洗浄方法の種類

洗浄方法には、ウェット洗浄法、機械的洗浄法、ドライ洗浄法の3種類があります。

ウェット洗浄では、エッチング、酸化還元反応、溶解、界面活性剤、超純水を用います。シリコンのダメージ層除去、ポリマー・残さなど反応生成物除去、有機物やシリコン、シリコン酸化物、金属を除去します。処理槽で薬液撹拌、キャリア揺動、振動、加熱を行います。また、超音波や半導体素子にダメージを与えないメガソニック振動を補助手段として用います。ウェット洗浄工程後は乾燥工程があります。スピンドライ、IPAなどの揮発性有機溶剤による置換、熱風、赤外線などがあります。

機械的洗浄としては、主にパーティクル除去を目的として氷やドライアイス、Arエアロゾルの高圧噴射法があります。

ドライ洗浄法には、主にシリコン表面の自然酸化膜除去を目的としたプラズマ照射、UV/オゾン、無水HFガス、水素アニール、アルゴンスパッタなどがあります。

RCA洗浄

RCA洗浄は半導体製造プロセスにおいて非常に重要な洗浄方法です。この方法は1960年代にRCA(Radio Corporation of America)社によって開発されました。RCA洗浄の主な目的は、ウェハ表面から有機物、金属不純物、および自然酸化膜を除去することです。

RCA洗浄の特徴と利点:

  1. 高い洗浄効果:有機物、金属不純物、粒子などを効果的に除去できる
  2. 表面ダメージが少ない:化学的洗浄のため、物理的なダメージが少ない
  3. 再現性が高い:プロセスが確立されており、安定した洗浄結果が得られる
  4. 多様な半導体材料に適用可能:主にシリコンウェハ向けだが他の基板材料にも応用できる

RCA洗浄は通常、以下の3つの主要なステップから構成されます。

SC-1 (Standard Clean-1):

  • 目的:有機物の除去と粒子の除去
  • 組成:NH4OH(アンモニア水)+H2O2(過酸化水素)+H2O(純水)
  • 温度:通常60〜80℃
  • 時間:10〜15分

HF(フッ酸)処理:

  • 目的:自然酸化膜の除去
  • 組成:希釈HF溶液(通常1〜2%)
  • 温度:室温
  • 時間:短時間(30秒〜2分程度)

SC-2 (Standard Clean-2):

  • 目的:金属不純物の除去
  • 組成:HCl(塩酸)+H2O2(過酸化水素)+H2O(純水)
  • 温度:通常60〜80℃
  • 時間:10〜15分

各ステップの間には、純水によるリンス工程が入ります。

先端ノード向けドライ洗浄・クライオジェニック洗浄技術

先端ノードへの対応として、従来のウェット洗浄に加え、クライオジェニック(極低温)エアロゾル洗浄や超臨界CO₂洗浄などのドライ洗浄技術が普及しつつあります。

東京エレクトロンのANTARESシリーズは、CryoKinetic技術を採用しており、300mmウエハのナノスケールパーティクルを薬液・純水を使わずに除去できる枚葉式システムとされています。(出典:東京エレクトロン公式サイト)

これらのドライ洗浄技術は、微細構造へのダメージを最小限に抑えながら高い洗浄効果を得られる点が特長であり、特に2nm以降のノードや複雑な3D構造を持つデバイスの洗浄において注目されています。

半導体洗浄装置の乾燥工程について

ウエハ用半導体洗浄装置の乾燥工程は、洗浄後のウエハから水分を完全に除去し、表面の清浄度を維持する重要なプロセスです。主な乾燥方法とその特徴について説明します。

  • スピン乾燥
    原理:高速回転による遠心力で水分を飛ばす
    特徴:簡単で広く使用されている、低コスト、大口径ウエハでは均一な乾燥が難しい
    課題:パターン倒れやウォーターマークの発生
  • IPA(イソプロピルアルコール)蒸気乾燥
    原理:IPAの蒸気をウエハに接触させ、水と置換して乾燥
    特徴:表面張力が小さいため、微細構造に適している。ウォーターマークの発生が少ない
    課題:IPA使用による環境・安全面の配慮が必要
  • マランゴニ乾燥
    原理:表面張力の差を利用して水を引き離す
    特徴:非常に清浄な表面が得られる、パターン倒れが少ない
    課題:プロセス制御が複雑
  • 窒素ブロー乾燥
    原理:高純度窒素ガスを吹き付けて水分を除去
    特徴:シンプルで高速、他の方法と組み合わせて使用されることが多い
    課題:パーティクルの再付着のリスク
  • 超臨界CO2乾燥
    原理:超臨界状態のCO2を用いて水分を除去
    特徴:表面張力がゼロのため、非常に微細な構造にも適用可能、環境にやさしい
    課題:高コスト、装置が複雑
  • 赤外線乾燥
    原理:赤外線照射により水分を蒸発させる
    特徴:熱による均一な乾燥が可能、非接触のためウエハへのダメージが少ない
    課題:熱に敏感な材料には不適

各方法の選択は、ウエハサイズ、デバイス構造の微細度、要求される清浄度、生産性、コストなどを考慮して決定されます。多くの場合、これらの方法を組み合わせて使用することで、より効果的な乾燥を実現しています。

最近の傾向としては、より微細な構造に対応するため、マランゴニ乾燥や超臨界CO2乾燥などの高度な技術の採用が増えています。また、環境への配慮から、IPA使用量の削減や、より環境にやさしい方法の開発も進んでいます。

半導体洗浄装置の主な機器構成

半導体洗浄装置の内部構成は、洗浄方式や目的によって異なりますが、一般的な構成要素と仕様について説明します。

仕様項目仕様の内容
洗浄槽材質: テフロンコーティングされたステンレス鋼、テフロン、PP、PVC
容量: 20〜200リットル程度(装置サイズによる)
薬液供給システムポンプ: 耐薬品性の遠心ポンプやダイアフラムポンプ
流量: 10〜100L/分程度
配管テフロンやPFA製
超音波発生器周波数: 28kHz〜1MHz(用途により選択)
出力: 500W〜5kW程度
温調システムヒーター: 石英またはテフロンコーティングされたステンレス製
温度範囲: 常温〜80℃程度
温度精度: ±1℃以内
ろ過システムフィルター: カートリッジ式(0.1〜0.5μm)
ろ過流量: 10〜50L/分程度
乾燥システム方式: 高温N2ガス乾燥または遠心乾燥
温度: 80〜120℃程度
乾燥時間: 3〜10分程度
搬送システム方式: ロボットアームまたはコンベア式
搬送速度: 0.1〜1m/秒程度
制御システムPLC(プログラマブルロジックコントローラー)使用
タッチパネル式操作インターフェース
排気システム排気量: 10〜50m³/分程度
フィルター: HEPAフィルター使用
純水供給システム純水製造能力: 10〜100L/時程度
水質: 比抵抗18MΩ・cm以上

これらの構成要素は、洗浄プロセスの要求に応じて適切に組み合わせられ、全体のシステムとして機能します。また、パーティクル対策として、装置内部にはクラス100〜1000相当のクリーン環境が維持されるよう設計されています。

洗浄装置の具体的な仕様は、処理するウエハのサイズ、処理量、要求される洗浄レベルなどによって大きく異なるため、実際の装置選定時にはこれらの要素を考慮して最適な構成を決定する必要があります。

クリーン度の向上に向けた最新技術

半導体製造ラインでは、クリーン度が極めて重要です。これを実現するための装置には、以下のような技術が採用されています。

  • ダウンフローとFFU(ファンフィルターユニット):クリーンルーム内の洗浄装置には、ダウンフローと呼ばれる上から下への気流を確保する技術が導入されており、これによりウエハ表面のパーティクル除去が徹底されています。FFUは、清浄な空気を供給し、ウエハが汚染されるリスクを最小限に抑えます。
  • ロボット搬送:ウエハの搬送には、クリーン度を維持するために、ロボット搬送が主流となっています。これにより、手作業による汚染のリスクを排除し、プロセス全体の精度と効率を向上させています。

環境と安全に配慮した設計

最新の半導体洗浄装置では、環境への配慮や安全性の確保も重要な課題です。

  • 有機溶剤の管理:洗浄プロセスでは、特定の汚染物質を除去するために有機溶剤が使用されます。これらの溶剤の管理は厳密であり、装置には溶剤の回収と再利用を可能にするシステムが組み込まれています。
  • 消火設備:有機溶剤を使用する洗浄装置には、火災リスクを低減するための高度な消火設備が設置されています。特に、クリーンルーム内での安全性が確保されるよう、最新の技術が採用されています。

洗浄装置の主な製造メーカー

日本の洗浄装置メーカー

日本には、世界的に競争力のあるウエハ洗浄装置メーカーが複数存在します。主な企業には以下のようなものがあります。

  1. SCREENホールディングス(SCREENセミコンダクターソリューションズ):洗浄装置で世界No.1シェアを持つとされるメーカーです(同社調べ)。2025年7月時点で累計出荷台数15,000台を突破しています。枚葉式・バッチ式・スピンスクラバの各カテゴリで製品をそろえており、IBMとのHigh NA EUV向け洗浄プロセス共同開発など次世代ノードへの対応も積極的に進めています。(出典:SCREEN公式発表)
  2. 東京エレクトロン:半導体製造装置の総合メーカーとして知られ、洗浄装置市場で世界第2位のシェアを持つとされています(同社公式情報より)。枚葉式洗浄装置を中心に展開しており、CryoKinetic技術を採用したANTARESシリーズなど先端ノード対応製品も手掛けています。(出典:東京エレクトロン公式サイト)
  3. 芝浦メカトロニクス:枚葉式ウエハ洗浄装置を手掛けており、前工程の洗浄装置を提供しています。
東京エレクトロン㈱枚葉式洗浄装置
㈱SCREENセミコンダクタソリューションズバッチ式洗浄装置、枚葉式洗浄装置
㈱MTK枚葉式洗浄装置
オリエント技研㈱各種洗浄装置
サムコ㈱ドライ洗浄装置
ジャパンクリエイト㈱バッチ式洗浄装置
JAPAN BLUE ㈱各種洗浄装置
㈱ジェイイーティーバッチ式洗浄装置、枚葉式洗浄装置
タツモ㈱バッチ式洗浄装置、枚葉式洗浄装置
全協化成工業㈱バッチ式洗浄装置、枚葉式洗浄装置
三益半導体工業㈱バッチ式洗浄装置
㈱ギガテックバッチ式洗浄装置、枚葉式洗浄装置
㈱ダン科学バッチ式洗浄装置
ダイキンファインテック㈱バッチ式洗浄装置、枚葉式洗浄装置
㈱ワイエムテクノロジー各種洗浄装置
PHT株式会社バッチ式洗浄装置
㈱プレテックバッチ式洗浄装置、枚葉式洗浄装置
㈱高田工業所バッチ式洗浄装置、枚葉式洗浄装置
㈱カナメックス各種洗浄装置
㈱電子技研枚葉式洗浄装置
芝浦メカトロニクス㈱枚葉式洗浄装置
セファテクノロジー㈱バッチ式洗浄装置
新オオツカ㈱各種洗浄装置
㈱北村製作所各種洗浄装置
㈱ケミカルアートテクノロジーバッチ式洗浄装置
㈱ソフ.エンジニアリングバッチ式洗浄装置
㈱ダルトン各種洗浄装置
HUGパワー㈱各種洗浄装置

海外の洗浄装置メーカー

グローバル市場では、以下の企業が主要なプレイヤーとして知られています。

  1. Applied Materials, Inc.:アメリカの半導体製造装置大手で、高性能なウエハ洗浄装置を提供しています。
  2. Lam Research Corporation:ウエハ洗浄技術において革新的なソリューションを提供する米国の企業です。
  3. KLA Corporation:検査・計測装置で知られる企業ですが、ウエハ洗浄装置も製造しています。
Lam Researchアメリカ枚葉式洗浄装置
Applied Materialsアメリカ枚葉式洗浄装置
SEMES韓国枚葉式洗浄装置、バッチ式洗浄装置
KCTECH韓国枚葉式洗浄装置、バッチ式洗浄装置
ACM Research中国枚葉式洗浄装置
NAURA Technology Group中国バッチ式洗浄装置
RENAドイツバッチ式洗浄装置

まとめ

ウエハ洗浄装置市場は、半導体産業の成長とともに拡大を続けています。複数の調査会社による最新予測では2025年時点の市場規模は62億〜102億米ドルと推計され、年平均成長率5〜8%台での中長期的成長が見込まれています。調査会社によって推計値に幅があるため、参照の際は出典・前提条件の確認が重要です。

この成長を支える主な要因には以下のようなものがあります。

  1. AIプロセッサ・HBM・GAAロジックなど先端半導体の需要増加
  2. 製造プロセスの複雑化(2nm以降のノード、3D NAND、先端パッケージング)
  3. 品質基準の厳格化
  4. クリーンな製造環境への要求
  5. High NA EUV対応をはじめとする新しい洗浄技術の開発

日本企業は、SCREENホールディングスを世界No.1、東京エレクトロンを世界第2位として(各社調べ)、高品質かつ高性能なウエハ洗浄装置で世界市場をリードしています。SCREENとIBMによるHigh NA EUV向け洗浄プロセス共同開発(2025年9月)に代表されるように、sub-2nmノードを見据えた次世代洗浄技術の開発競争はますます激しくなっています。

半導体産業の発展とともに、ウエハ洗浄装置の重要性はますます高まっていくでしょう。製造メーカーは、より効率的で環境に配慮した装置の開発に注力し、半導体デバイスの性能向上と生産性向上に貢献していくことが期待されます。

参考サイト