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レーザー加工装置~エキシマレーザーで10µm以下の穴あけも可能に!半導体パッケージングの進化に貢献!

装置

半導体製造分野において、レーザー加工装置は欠かせない存在となっています。本記事では、半導体パッケージングやプリント基板製造に使用されるレーザー加工装置の最新動向、種類、用途、そして主要メーカーについて詳しく解説します。技術革新が進む中、この装置がどのように半導体産業を変革しているのか、その全貌に迫ります。

レーザー加工装置に関する最新ニュース

レーザー加工装置とは?

レーザー加工の基本原理

レーザー加工装置は、高エネルギーのレーザー光を利用して材料を加工する装置です。レーザー(LASER)とは「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation」の頭文字を取ったもので、「誘導放出による光の増幅」を意味します。レーザー加工の基本原理は、集光されたレーザー光のエネルギーを材料に照射し、そのエネルギーを熱や光化学反応に変換することで、材料の切断、溶接、穴あけ、表面改質などを行うことです。

レーザー加工の特徴として、非接触加工が可能であること、高精度な加工ができること、複雑な形状の加工が容易であることなどが挙げられます。特に半導体製造分野では、微細加工や高速加工が要求されるため、レーザー加工装置の利用が不可欠となっています。

レーザー加工装置の主要な構成要素には、レーザー発振器、ビーム伝送系、集光光学系、加工テーブル、制御システムなどがあります。これらの要素が高度に統合されることで、精密な加工が実現されています。

半導体製造におけるレーザー加工の役割

半導体製造プロセスにおいて、レーザー加工装置は多岐にわたる重要な役割を果たしています。主な用途として、ウェハーの切断(ダイシング)、パッケージングプロセスでの樹脂の除去(デキャップ)、配線パターンの形成(アブレーション)、マーキングなどが挙げられます。

また、フレキシブル基板や3次元実装技術の発展に伴い、従来とは異なる材料や構造に対する加工技術としても、レーザー加工の重要性が増しています。これらの新しい技術トレンドに対応するため、レーザー加工装置の性能向上と新たな加工技術の開発が続けられています。

レーザー加工装置の進化と技術革新

レーザー加工装置は、半導体製造技術の進歩と共に急速な進化を遂げてきました。初期のレーザー加工装置は主にCO2レーザーやYAGレーザーを使用していましたが、現在では半導体レーザー、ファイバーレーザー、エキシマレーザーなど、多様なレーザー光源が用途に応じて使い分けられています。

技術革新の一例として、超短パルスレーザーの実用化が挙げられます。ピコ秒やフェムト秒といった極めて短い時間幅のレーザーパルスを使用することで、熱影響を最小限に抑えた「コールド加工」が可能となり、従来は困難だった精密加工や異種材料の接合などが実現しています。

また、ビーム制御技術の向上により、3次元的な加工や複雑な形状の加工が高速かつ高精度に行えるようになりました。さらに、インライン検査システムとの連携や、AIを活用した加工条件の最適化など、ソフトウェア面での進化も著しいものがあります。

これらの技術革新により、レーザー加工装置は半導体製造プロセスの効率化と高度化に大きく貢献し、次世代デバイスの実現を支える重要な役割を果たしています。

レーザー加工装置の市場動向

グローバル市場規模と成長予測

レーザー加工装置の世界市場は、半導体産業の成長と技術革新に伴い、着実な拡大を続けています。最新の市場調査レポートによると、2024年の世界のレーザー加工装置市場規模は約150億ドルと推定されており、2025年から2030年にかけての年平均成長率(CAGR)は7.5%と予測されています。

この成長を牽引する要因として、5G通信の普及、IoTデバイスの増加、自動車の電動化などが挙げられます。特に、半導体チップの需要増加と高性能化に伴い、より精密な加工技術が求められており、これがレーザー加工装置市場の拡大につながっています。

地域別では、アジア太平洋地域が最大の市場シェアを占めており、特に中国、台湾、韓国などの半導体製造大国での需要が顕著です。北米や欧州でも、先端技術の研究開発や特殊用途向けの需要が堅調に推移しています。

技術トレンドと市場への影響

レーザー加工装置市場における主要な技術トレンドとして、以下の点が挙げられます:

  1. 超短パルスレーザーの普及:フェムト秒レーザーなどの超短パルスレーザーの採用が増加しており、微細加工や精密加工の分野で市場を牽引しています。
  2. 高出力・高効率化:ファイバーレーザーを中心に、高出力かつ高効率なレーザー光源の開発が進んでおり、生産性向上に寄与しています。
  3. 自動化・インテリジェント化:AIやIoT技術の統合により、加工プロセスの最適化や予防保全が可能になり、装置の付加価値が向上しています。
  4. グリーンレーザー技術:環境負荷の低減と省エネルギー化を実現する新しいレーザー技術の開発が進んでいます。

これらの技術トレンドは、装置の高性能化と同時に、新たな用途開拓にもつながっており、市場の拡大に大きく貢献しています。

競争環境と主要プレイヤーの動向

レーザー加工装置市場は、技術革新と品質向上を軸に激しい競争が繰り広げられています。市場をリードする主要プレイヤーとして、Coherent(米国)、IPG Photonics(米国)、TRUMPF(ドイツ)、Han’s Laser(中国)、三菱電機(日本)などが挙げられます。

これらの企業は、研究開発投資の拡大や戦略的提携を通じて、市場シェアの拡大と技術優位性の確保を図っています。例えば、2024年にはCoherentとLumentumの合併が完了し、レーザー技術のポートフォリオを大幅に拡充しました。

また、新興企業の台頭も市場に変化をもたらしています。特に中国企業の急速な成長が注目されており、価格競争力と技術力の向上により、グローバル市場でのプレゼンスを高めています。

今後は、特定用途向けの特化型装置や、トータルソリューションの提供など、差別化戦略がより重要になると予想されています。また、サステナビリティへの取り組みや、デジタルトランスフォーメーションの推進なども、競争力を左右する要因となるでしょう。

PCB・半導体パッケージング製造における穴あけ加工技術

プリント基板(PCB)および半導体パッケージの製造において、穴あけ加工は層間接続や部品搭載のために不可欠なプロセスです。本報告では、現在主流となっている穴あけ加工技術の特徴と性能限界を詳細に分析し、次世代技術の動向についても考察します。穴あけ加工技術の進化は、電子機器の小型化・高性能化を支える重要な要素となっており、特に微細穴加工の実現は高密度実装への道を開きます。

機械式ドリル加工技術

機械式ドリル加工は、PCB製造における最も伝統的かつ広く使用されている穴あけ技術です。この方法では、高速回転するドリルビットが基板材料を物理的に切削して穴を形成します。

特性と性能

機械式ドリル加工は長年の技術発展により高度に最適化されています。ユニオンツールなどのメーカーは、穴位置精度や内壁粗さに応じて異なる特性を持つドリルを開発しています。これらは剛性重視型、切り屑排出重視型、バランス型の3種類に大別され、加工要件に応じて選択できます。現代の高性能機械ドリルシステムは驚異的な性能を発揮し、世界最速となる37万回転のスピンドルを搭載した設備では、最小φ0.05mmの超微細穴加工が可能となっています4

穴あけ工程の基本原理は、電動ドリルビットが高速回転しながら基板に穴をあけていくもので、ギアを介してスピンドルの回転運動をツールホルダーに伝達し、基板に穴をあけていきます7。量産加工においては、最小径φ0.1mmの穴あけが一般的で、試作レベルではφ0.075mmまでの極微細穴も対応可能となっています。

製造コスト低減のために、使用済みドリルの先端を研磨して再利用することが業界では一般的であり、高度な研磨技術を持つメーカーでは、研磨後も新品同様の性能を維持できる技術が確立されています。

CO₂レーザー加工技術

CO₂レーザーによる穴あけ加工は、赤外線領域のレーザー(波長9.3-10.6μm)を使用して材料を熱的に除去する方法です。

特性と性能

CO₂レーザーは集光スポット径を約90-120μmまで絞ることができ、短時間で微細な穴あけが可能です2。この方法の最大の特徴は非接触加工であることで、機械加工で使用するドリルのような工具の摩耗がなく、また斜め穴あけなど、従来の機械加工では困難だった形状も実現可能です。

三菱電機が開発した「高ピーク短パルスCO₂レーザー発振器」は、瞬時に高いパワーのレーザーを照射することで、レーザー照射部だけが一瞬で加工され、周囲への熱影響を最小限に抑えた穴あけを実現しています。通常、銅はレーザーを反射するため加工が困難ですが、高ピーク短パルスレーザーなら基板表面の銅箔を貫通して一気に加工することも可能になります。このシステムは1秒間に7,000穴という高速加工を実現し、高密度プリント基板の製造を支えています。

CO₂レーザーによる穴あけ加工は主に0.1mm以上の穴径に適しており、広範囲の基板材料に対応可能です。パルス波形の工夫により、穴周辺への熱影響を制御し、周辺付着物を低減することも可能になっています。

エキシマレーザー加工技術

エキシマレーザー(KrF:波長248nm)は紫外線領域の短波長を持ち、樹脂材料の穴あけに特に適しています。

特性と性能

エキシマレーザーの短波長は材料へのレーザー吸収率を向上させ、効率的な穴あけを可能にします。また、ナノ秒単位という極めて短い時間で照射を繰り返すため、素材への熱影響が過剰になりにくいという特徴があります。この特性から、熱に弱い樹脂の穴あけや円形以外の形状の穴あけにエキシマレーザーが採用されています。

エキシマレーザーは、CO₂レーザーよりもさらに小さい数μmレベルの穴あけが可能な加工技術として期待されており、特にポリイミド系材料など熱感受性の高い材料への微細加工に適しています。

DUVレーザー加工技術

最先端技術の一つとして、深紫外(DUV)レーザーを用いた超微細穴あけ加工があります。

特性と性能

次世代半導体基板加工技術として、波長266nmのDUVレーザー加工機を用いた層間絶縁膜への直径3マイクロメートルの微細穴あけ加工が実現されています6。これは現在チップ実装基板の層間配線として用いられている直径40マイクロメートルの穴の約1/10のサイズであり、半導体実装基板の高密度化に大きく貢献します。

東京大学、味の素ファインテクノ、三菱電機、スペクトロニクスの4法人による共同研究では、ガラス基板上に銅配線を形成し、その上に3μmの絶縁層(ABF)を積層した後、DUVレーザーで5μm間隔に直径3μmの穴を開けることに成功しました。このプロセスでは下層の銅配線やガラス基板を損傷させることなく、絶縁層のみに穴を開けられる選択的加工が実現しています。

エアブラスト加工技術

エアブラストによるプリント基板への加工も注目される技術の一つです。

特性と性能

ブラストによるプリント基板への加工は、小型化高密度化が進むプリント基板に対して効率よく使用できるように、基板本体にビア(穴あけ)加工や、ザグリ加工を施す処理です。従来はコンタミネーション(汚染)の懸念からあまり利用されていませんでしたが、面積当たりの穴数の増加に伴い、エアーブラストで加工するメリットが増大し、後工程での洗浄やデスミア処理を行っても、それを補うメリットが得られるとの評価が高まっています。

レーザー加工装置の主な用途

半導体ウェハーの加工

半導体ウェハーの加工は、レーザー加工装置の重要な用途の一つです。主に以下の工程で使用されています:

  1. ウェハーダイシング:
    シリコンウェハーを個々のチップに分割する工程です。従来のブレードダイシングに代わり、ステルスダイシングと呼ばれるレーザー加工技術が普及しています。この技術では、ウェハー内部にレーザーを照射して改質層を形成し、その後外力を加えて分割します。これにより、チッピングやクラックの発生を抑制し、歩留まりの向上と微細化に対応しています。
  2. ウェハーマーキング:
    ウェハーやチップに識別情報を刻印する工程です。レーザーマーキングは、非接触で高速・高精度な加工が可能なため、広く採用されています。最新の装置では、2次元コードなどの複雑なパターンも瞬時に刻印できます。
  3. 薄化処理:
    ウェハーの厚みを均一に削減する工程です。バックサイドグラインディングと呼ばれる機械研磨の後、レーザーによる表面処理を行うことで、ウェハーの強度を保ちながら極限まで薄くすることができます。これは、3D実装技術の進展に伴い、重要性が増しています。

パッケージング工程での応用

半導体パッケージング工程においても、レーザー加工装置は多岐にわたる用途で活用されています:

  1. リードフレーム加工:
    金属製のリードフレームを精密に切断・成形する工程です。レーザー加工により、複雑な形状の加工や微細なパターンの形成が可能になっています。特に、パワー半導体向けの厚いリードフレームの加工に適しています。
  2. 樹脂除去(デキャップ):
    封止樹脂を部分的に除去し、チップを露出させる工程です。故障解析や不良解析の際に必要となります。レーザーデキャップは、化学的な方法と比べて環境負荷が低く、処理時間も短いため、広く採用されています。
  3. ワイヤーボンディング:
    チップと基板を金属ワイヤーで接続する工程です。レーザーを用いたワイヤーボンディングでは、熱影響を最小限に抑えながら、高速かつ高精度な接合が可能です。特に、微細ピッチの接続や、熱に弱い材料の接合に適しています。

プリント基板の加工

プリント基板(PCB)の製造においても、レーザー加工装置は重要な役割を果たしています:

  1. ビアホール形成:
    層間を電気的に接続するための微細な穴(ビアホール)を形成する工程です。CO2レーザーやUVレーザーを用いることで、高アスペクト比の穴を高速に形成できます。最新の装置では、1秒間に数千個のビアホールを形成することが可能です。
  2. 配線パターン形成:
    基板上に微細な配線パターンを形成する工程です。レーザーアブレーション技術を用いることで、従来のエッチング法では困難だった微細パターンや、フレキシブル基板上のパターン形成が可能になっています。
  3. 基板切断:
    完成した基板を個々の製品サイズに切断する工程です。レーザー切断は、機械的な切断と比べて切断幅が狭く、高精度な加工が可能です。また、ガラスエポキシ基板やフレキシブル基板など、様々な材質の基板に対応できます。

これらの用途において、レーザー加工装置は高精度、高速、そして環境負荷の低減といった利点を提供しています。半導体製造技術の進歩に伴い、レーザー加工装置の重要性はますます高まっており、今後も新たな用途開発と性能向上が期待されています。

レーザー加工装置の主な製造メーカー

国内メーカーの動向

日本のレーザー加工装置メーカーは、高い技術力と品質管理能力を武器に、グローバル市場で重要な位置を占めています。

メーカー製品名特徴
三菱電機CO2、UVレーザー(MELLASER:GTF,GTWシリーズ)
高出力深紫外ピコ秒レーザー加工装置
– 世界最高の平均出力50Wの深紫外ピコ秒レーザー
– 波長266nmで高速微細加工が可能
ディスコステルスダイシング、レーザーソー(DFLシリーズ)– 半導体ウエハーの内部に改質層を形成し、個片化
浜松ホトニクスステルスダイシング技術– ディスコとの提携によりステルスダイシング技術を提供
オーク製作所エキシマレーザー
(Exa-Ms5)
– 解像力5μmの微小ビアを形成可能
– 半導体パッケージ基板の加工に適用
スペクトロニクスピコ秒レーザー発振器– 波長266nmのピコ秒パルス幅レーザー
ギガフォトンエキシマレーザー– ArF,KrF光源のサプライヤー
信越化学工業・信越エンジニアリングエキシマレーザー– マイクロLED用のマルチレーザーリフトオフ、高速リペア、高速移送装置
穴あけ加工装置を新規開発

これらの国内メーカーは、高度な技術開発と品質管理により、世界市場で競争力を維持しています。特に、微細加工や精密加工の分野では、日本メーカーの優位性が際立っています。

海外メーカーの動向

グローバル市場では、欧米や中国のメーカーも重要なプレイヤーとして台頭しています。主要な海外メーカーとその特徴は以下の通りです:

半導体、半導体パッケージング分野の海外のレーザー加工装置メーカーについて、以下の表にまとめました。

企業名国名製品名/技術特徴
Coherent米国エキシマレーザー、ウルトラファストレーザー2021年にLumentumと合併し世界最大のレーザー企業。幅広いレーザー技術を持ち、半導体製造向けに様々な加工装置を提供。
TRUMPFドイツマイクロエレクトロニクス向け精密加工装置工作機械メーカーの背景を活かし、高出力レーザー加工装置で高いシェアを持つ。
Han’s Laser中国幅広い製品ラインナップ中国最大のレーザー加工装置メーカー。価格競争力を武器に半導体製造分野に積極参入。
NanoScribeドイツ2-フォトンポリメリゼーション技術を用いた3Dマイクロプリンティング装置半導体パッケージングにおける微細構造の形成などに応用が期待される。
LPKF Laser & Electronicsドイツレーザー直接構造化(LDS)技術3次元回路形成の分野で注目。5G通信用アンテナやセンサーの製造に革新をもたらす。
Optomec米国エアロゾルジェットプリンティング技術とレーザー加工の組み合わせ装置フレキシブルエレクトロニクスや3D実装の分野で新たな可能性を開く。
IPGフォトニクス米国PLDシリーズ高出力、高信頼性と低価格を同時に実現したコンパクトパッケージ半導体レーザー。

レーザー加工装置市場は、これら多様なプレイヤーの競争と協調によって、急速な技術進歩と市場拡大を続けています。今後は、AIやIoTとの融合、環境負荷低減技術の開発、新材料への対応など、さらなる革新が期待されています。

まとめ

半導体製造分野におけるレーザー加工装置は、半導体製造技術の進歩に不可欠な存在となっています。微細化、高集積化、3D実装など、半導体産業の新たな課題に対応するため、レーザー加工技術の重要性はますます高まっています。同時に、環境負荷の低減や生産効率の向上など、持続可能な製造プロセスの実現に向けた取り組みも進んでいます。

今後は、量子コンピューティングや6G通信などの次世代技術に対応するため、さらなる技術革新が求められるでしょう。また、グローバルな競争環境の中で、各メーカーの戦略的な動きや新興企業の台頭にも注目が集まります。

レーザー加工装置は、半導体産業のイノベーションを支える重要な基盤技術として、今後も進化を続けていくことが期待されます。この分野の動向は、エレクトロニクス産業全体の発展に大きな影響を与えるため、継続的な注目が必要です。

参考サイト