世界の代表的な政府系半導体研究機関について、以下の表にまとめました。
これらの機関は、それぞれの国や地域で半導体技術の発展に重要な役割を担っています。
基礎研究から応用研究、産業界との連携まで幅広い活動を通じて、グローバルな半導体エコシステムの形成と競争力強化に貢献しています。
日本
日本の政府系研究機関は、Rapidusとの連携を軸に2nm世代以降の先端プロセス技術の確立を進めています。LSTCはつくば・東京を拠点に、先端プロセス開発基盤の整備やチップレット設計連携を推進し、産総研のSFRCは新材料や光電融合デバイスの研究開発と産業応用の橋渡しを担っています。官民連携による体制構築が進み、日本の半導体競争力強化に向けた取り組みが加速しています。
| 機関名 | 国・地域 / 拠点 | 主な特徴・2026年現在の動向 |
|---|---|---|
| LSTC | 日本 / つくば・東京 | 最先端半導体技術センター。Rapidusと連携し、先端プロセス開発基盤の整備やチップレット設計連携を推進。 |
| SFRC (産総研) | 日本 / つくば | 半導体フロンティア研究センター。新材料、デバイス構造、光電融合技術の研究開発と産業応用を橋渡し。 |
アジアパシフィック
アジアパシフィック地域では、台湾・韓国・インド・シンガポール・オーストラリアがそれぞれの強みを活かしながら次世代半導体の研究開発を進めています。台湾のITRIとTSRIはパワー半導体やAIチップ分野で産業化支援を強化し、シンガポールのIMEはヘテロ集積や3Dパッケージングで世界的な研究拠点となっています。韓国のKISTは総合研究機関として半導体関連研究も推進し、インドではISMを中心とした政策主導のもと設計・製造基盤の整備が進められています。
| 機関名 | 国・地域 / 拠点 | 主な特徴・2026年現在の動向 |
|---|---|---|
| ITRI | 台湾 / 新竹・中部 | 台湾最大の政府系応用研究機関。SiCパワー半導体、MEMS、AIエッジプロセッサなどの産業化を推進。 |
| TSRI | 台湾 / 新竹 | 半導体設計支援とMPWサービスを提供するオープンラボ。大学・産業界の連携基盤として機能。 |
| IME (A*STAR) | シンガポール | ヘテロ集積や3Dパッケージングに強みを持つ世界的研究拠点。 |
| KIST | 韓国 / ソウル | 政府系総合研究機関。次世代メモリやニューロモルフィック分野を含む半導体関連研究も推進。 |
| ISM (Bharat) | インド | インド政府による半導体振興プログラム。研究機関ではなく、設計・製造基盤整備や投資促進を主導。 |
| ANFF | オーストラリア | 国内の大学・研究機関を結ぶナノファブリケーション共用インフラネットワーク。 |
ヨーロッパ
ヨーロッパはIMEC(ベルギー)とCEA-Leti(フランス)を中核に、最先端プロセスや量子技術分野で強固な研究基盤を形成しています。IMECはASMLなどと連携し先端ノード開発を牽引し、CEA-LetiはFD-SOIや3D積層、量子技術で独自の強みを持ちます。ドイツのFraunhoferグループは複数研究所(IISB、IPMSなど)を通じて半導体プロセスやデバイス応用を推進し、フィンランドのVTTやスペインのTecnaliaもそれぞれ特化分野で欧州の研究エコシステムを支えています。
| 機関名 | 国・地域 / 拠点 | 主な特徴・2026年現在の動向 |
|---|---|---|
| IMEC | ベルギー / ルーベン | 世界有数のナノエレクトロニクス研究拠点。先端ノード(2nm以降)開発で国際連携を主導。 |
| CEA-Leti | フランス / グルノーブル | 応用研究機関としてFD-SOI、3D集積、量子技術に強み。 |
| Fraunhofer(IISB/IPMS等) | ドイツ | 欧州最大級の応用研究ネットワーク。半導体プロセス、パワーエレクトロニクス、MEMSなどを分担して推進。 |
| VTT | フィンランド / エスポー | 量子デバイスやフォトニクスなど先端分野の研究開発を推進。 |
| Tecnalia | スペイン / デリオ | 産業応用志向の研究機関。電力変換やモビリティ分野の半導体応用技術を推進。 |
北米
北米では米国のCHIPS法を背景に、研究開発基盤の整備が進んでいます。NSTC(Natcast)は先端半導体研究のハブとして設立され、プロトタイピングや先端パッケージング分野の連携強化を担っています。カナダではCPFCやC2MIがそれぞれフォトニクス製造やパッケージング分野で重要な役割を果たしており、北米全体でのサプライチェーン強化が進展しています。
| 機関名 | 国・地域 / 拠点 | 主な特徴・2026年現在の動向 |
|---|---|---|
| NSTC (Natcast) | アメリカ | CHIPS法に基づく研究開発組織。プロトタイピング基盤や先端パッケージング連携を推進。 |
| CPFC | カナダ / オタワ | カナダ国立研究機構が運営するフォトニクス製造拠点。化合物半導体デバイスに強み。 |
| C2MI | カナダ / ブロモン | 先端パッケージングおよび製造プロセス開発に特化した研究拠点。 |

