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ダイシング装置〜半導体チップをミクロンオーダーでカットする技術

装置

半導体製造の後工程は、ウエハからチップを切断するダイシングから始まります。ダイシング装置の市場規模は2030年に1兆円を突破すると予測されています!本記事では、ダイシング装置の基礎知識から最新の技術動向まで、5つの重要ポイントを詳しく解説します。ダイシング装置の役割、種類、市場動向、用途、主要メーカーについて深掘りし、半導体業界に携わる方や技術に興味のある方必見の内容です。新たな技術革新が進む中で、ダイシング装置がどのように進化しているのか、一緒に見ていきましょう。

ダイシング装置に関する最新のニュース

  • 先進パッケージング向け新プラズマダイシング技術 – SPTS Technologies社が、先進パッケージング向けの新しいプラズマダイシング技術を開発。従来のブレードダイシングと比較して、チップの歩留まりと信頼性を向上させる。
  • SiCやサファイア向け新型ダイセパレータを開発 – ディスコが、高硬質素材向けΦ200mmテープフレーム対応フルオートダイセパレータDDS2020を開発。新ブレーキング機構により、SiCやサファイアなどの高強度材料に対し低荷重での分割を実現。
  • ステルスダイシング技術の進化 – 浜松ホトニクスが、レーザーを用いた革新的なダイシング技術を発展。「完全ドライプロセス」「切削ロスゼロ」「チッピングレス」など、MEMSデバイスやメモリデバイスへの応用範囲を拡大。
  • プラズマダイシング向け新型テープを開発 – 古河電工が、「レーザーグルービング+プラズマダイシング工法」向けの新型半導体用テープを開発。プラズママスク付きバックグラインドテープと、エキスパンド分割用ダイシング・ダイアタッチフィルムを製品化。

ダイシング装置とは?

1. ダイシングの定義

ダイシングとは、半導体製造プロセスにおいてウエハ上に形成された多数の集積回路(IC)やデバイスを個別のチップとして切り出す工程を指します。この工程は、最終製品として市場に出る前の重要なステップであり、製品の性能や品質に直結します。ダイシング装置は、この切断作業を高精度かつ効率的に行うために設計されています。

2. ダイシング装置の基本構造

一般的なダイシング装置は、高速回転するスピンドルに取り付けられたダイヤモンドブレードを使用します。このブレードは非常に薄く、鋭利な刃先を持つため、ウエハを切断する際には最小限の力で高精度な加工が可能です。加工中には、ブレードの冷却や切削屑の除去を行うために純水や冷却液が噴射され、ウエハへのダメージを防ぎます。また、自動化されたロボットアームがウエハを正確に位置決めし、高速で切断作業を進めることで、生産性も大幅に向上しています。

3. ダイシング装置の進化

近年では、レーザー光を用いたダイシング技術が注目されています。従来のブレードによる切断方法と比較して、レーザーダイシングは非接触であるため、ウェハへの物理的なストレスが少なく、高い精度と柔軟性を提供します。特に薄型ウェハや脆弱な材料の場合、この技術は非常に有効です。さらに、新しい材料やデバイス構造への対応も可能となり、多様化する市場ニーズに応えるための重要な選択肢となっています。

ダイシング装置の市場規模

1. 現在の市場規模

ダイシング装置市場は、半導体産業全体の成長とともに着実に拡大しています。2023年時点で、この市場規模は数千億円と推定されており、多くのメーカーが競争を繰り広げています。特にアジア地域では、中国や台湾などが半導体製造拠点として急成長しており、それに伴いダイシング装置への需要も増加しています。

2. 将来の市場予測

今後数年間で、IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、5G通信技術など、新たなテクノロジーが普及することで半導体需要は飛躍的に増加すると予想されています。この流れはダイシング装置市場にも影響を及ぼし、2030年までには1兆円を突破するとの予測もあります。特に自動車産業や医療機器など、新しい分野での半導体需要が市場成長を後押しするでしょう。

3. 市場成長の要因

ダイシング装置市場成長の主な要因としては、スマートフォンやタブレットなどモバイルデバイス需要の増加、自動車電装化によるセンサーや制御ユニット需要の高まりがあります。また、新興国での半導体産業発展も重要な要素です。これら全てが相まって、市場全体が活性化し続けています。

ダイシング装置の種類

1. ブレードダイシング

ブレードダイシングは最も一般的な方法であり、厚み20~50μm程度のダイヤモンドブレードを用いてウェハを機械的に切断します。この方法は高い精度と比較的低コストで実施できるため、多くの製造ラインで採用されています。しかしながら、この方法にはウェハへのダメージや静電破壊といったリスクも伴います。

2. レーザーダイシング

レーザーダイシングは、レーザー光を利用してウェハを切断する先進的な方法です。この技術では非接触加工が可能であり、そのためチップへの物理的ストレスが少なく、高精度な加工が実現できます。特に薄型ウェハや脆弱材料の場合、この方法は非常に効果的です。また、10μm以下という狭ストリートでも加工可能なため、高密度集積回路(IC)の製造にも適しています。

3. ステルスダイシング

ステルスダイシングとは、新しいレーザー技術を用いてウェハ内部に改質層を形成し、その後ブレーキングによってチップを分離する方法です。この技術は特に透明材料(ガラスやサファイアなど)の切断加工に適しており、高精度かつ高品質な仕上がりが期待できます。従来技術では難しかった微細加工にも対応できるため、多様な応用が可能です。

ダイシング装置の主な用途

1. 半導体チップの製造

ダイシング装置の最も一般的な用途は、半導体チップ製造です。ウエハ上には多数のICが形成されており、それらを個々のチップとして切り出すことで最終製品として市場へ供給されます。この工程は非常に重要であり、高精度かつ効率的な加工が求められます。特に競争が激しい半導体市場では、生産性向上とコスト削減が常に求められています。

2. MEMS(微小電気機械システム)の製造

MEMSデバイスもダイシング装置によって製造されます。これらはセンサーやアクチュエータなど微小な機械部品から構成されており、高精度な切断加工が必要です。MEMS技術は、自動車や医療機器など多くの分野で利用されており、その需要は今後も増加すると考えられています。

3. 光学部品の加工

光学部品(レンズやフィルターなど)の加工にもダイシング装置が使用されます。特にレーザーダイシング技術によって透明材料への高精度切断が可能となり、高品質な光学部品製造が実現しています。この分野でも新たな応用開発が進んでおり、高度化した光学機器への要求にも応えられるようになっています。

ダイシング装置の主な製造メーカー

1. ディスコ

日本企業ディスコは、ダイシング装置市場で世界首位を誇ります。同社は半導体だけでなく電子部品向けにも多様な切断・研削・研磨装置を提供しており、その高品質と信頼性から多くの顧客から支持されています。また、新しい技術開発にも積極的であり、市場ニーズへの迅速な対応力も強みです。

2. 東京精密

東京精密はディスコに次ぐ世界第2位のメーカーであり、高品質なダイスソーやプロービングマシンなど、多岐にわたる製品ラインアップがあります。同社は特許技術による高精度加工機能を持ち、多くの日系企業だけでなく海外市場でも確固たる地位を築いています。

3. その他の主要メーカー

ディスコと東京精密以外にも、日本国内には浜松ホトニクス、西進商事など多くの優れたメーカーがあります。それぞれ独自技術や特定分野への強みを持ち、競争力ある製品開発を行っています。また、海外メーカーも徐々に市場へ参入し始めており、グローバル競争が一層激化しています。このような競争環境下では、新しい技術革新やコストパフォーマンス向上が求められるでしょう。

参考サイト: