ウエハ/基板用 研磨装置

装置
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ウエハ研削装置とは、ウエハを機械的に削り、平坦化や鏡面加工したり、薄くする装置です。

シリコンウェハの製造工程における「研削工程(grinding process)」とは、シリコンインゴットからウェハを切り出した後、そのウェハの厚みや表面の平坦度を調整するために行われる重要な工程です。

ウエハの製造工程における研削工程

シリコンのインゴッドからワイヤソーでウエハを切り出した後の工程で、規格の厚さになるよう研削を行います。粗研磨はラッピング、仕上げの研磨はポリッシングと呼ばれています。片面ずつ研削する、両面同時に研削する方法があります。

研削工程の目的

  1. 厚みの調整: 切り出されたウェハの厚みは均一でなく、ばらつきがあります。研削工程では、この厚みを均一に調整します。
  2. 表面の平坦化: ウェハの表面は、切断後に微小な凹凸が生じます。研削によってこれらの凹凸を取り除き、表面を平坦にします。
  3. ウェハの強度向上: ウェハの表面を滑らかにすることで、次の工程で発生する可能性のある微細なクラック(亀裂)や欠陥の発生を抑え、ウェハの強度を向上させます。

バックグラインド工程

SEMI規格のウエハの厚さは、8インチで725μm、12インチで775μmです。

製品によっては規格の厚さでは厚すぎます。

スマホでは、スマホ本体を薄くする必要があり、また数多くの電子デバイスを積層して搭載するため、一つ一つのチップの厚さは極限まで薄くする必要があります。

また、シリコンIGBTなど多くのパワーデバイスにおいては、ウエハの厚さが薄いほど電力損失が少なくなるため、50μm前後まで薄くする必要があります。

ダイシング(小片化)する前に、素子が形成されている面と反対側、つまり裏面を削り落とし、ウエハの厚さを薄くします。この工程をバックグラインド(Back grind: BG)、あるいは薄化(Wafer thinning)と呼んでいます。

研削装置の構成

半導体製造における研削装置は、ウェハの表面や裏面を研削して厚みや表面の平坦度を調整するために使用される重要な機器です。特に、シリコンウェハの製造やバックグラインド工程で使用されます。以下に、半導体製造用途の研削装置の主な機器構成について説明します。

1. 研削ヘッド(Grinding Head)

研削ヘッドは、砥石(グラインディングホイール)を保持し、高速回転させてウェハを削る装置の中心部分です。研削ヘッドは次の要素から構成されます。

  • 砥石(Grinding Wheel): シリコンウェハを削るための主要な研削部材であり、ダイヤモンド粒子やCBN(立方晶窒化ホウ素)などの非常に硬い研削材が使われます。粗研削用、精研削用など、研削の目的に応じて異なる粒度の砥石が使用されます。
  • スピンドル(Spindle): 砥石を回転させる軸です。高精度で安定した回転が求められるため、スピンドルの振動やブレを最小限に抑える設計が重要です。

2. ウェハチャックテーブル(Wafer Chuck Table)

ウェハチャックテーブルは、研削中にウェハを固定するためのテーブルです。

  • バキュームチャック: ウェハを真空吸着で固定するシステムです。高い吸着力が求められ、ウェハが研削中に動かないように保持します。
  • 回転機構: ウェハチャックテーブルは通常回転機構を持ち、ウェハを均一に研削するためにゆっくりと回転させます。

3. スラリー供給システム(Slurry Supply System)

研削中に冷却と潤滑を行い、削りカスを除去するための液体を供給するシステムです。

  • スラリータンク: 研削液(スラリー)を貯めておくタンクです。
  • スラリー供給ポンプ: 研削液を砥石とウェハの間に均等に供給するためのポンプです。
  • スラリー回収システム: 使用後の研削液を回収し、フィルタリングするシステムです。これにより、再利用が可能になる場合もあります。

4. 制御システム(Control System)

研削装置全体を制御するためのシステムで、精密な加工を実現するために不可欠です。

  • CNCコントローラー(Computer Numerical Control): 研削ヘッドの動きや回転速度、ウェハの回転速度、研削深さなどをプログラム制御します。
  • センサーシステム: 研削中の振動、温度、位置をモニタリングし、リアルタイムで調整を行います。

5. 洗浄装置(Cleaning Unit)

研削後のウェハに付着した研削粉やスラリーを洗浄するための装置です。

  • 超音波洗浄機(Ultrasonic Cleaner): 超音波を使って微細な研削粉を除去します。
  • スピンリンサー/ドライヤー: ウェハをスピンさせながら洗浄し、その後に乾燥させます。

6. 安全保護装置(Safety and Enclosure System)

研削中に発生する粉塵や騒音からオペレーターを保護するための装置です。

  • エンクロージャー: 研削装置全体を覆うカバーで、研削中の粉塵やスラリーの飛散を防ぎます。
  • 排気システム: 粉塵や研削液の蒸気を吸い込んで排出する装置です。

7. 検査装置(Inspection Systems)

研削後のウェハの厚み、平坦度、表面状態を検査するための装置です。

  • 厚み測定システム: レーザーやその他の非接触センサーを用いて、ウェハの厚みを精密に測定します。
  • 表面粗さ測定システム: 研削後のウェハ表面の粗さを測定します。高精度の表面が求められるため、ナノメートル単位での測定が可能な装置が使われます。

これらの機器構成は、半導体製造における高い精度と信頼性を実現するために重要な役割を果たします。それぞれの構成要素は、加工精度の向上、ウェハの品質保持、作業効率の最適化に寄与しています。

装置メーカー

ウエハ研削装置

岡本工作機械製作所
東京精密
ディスコ
スピードファム

ガラス研磨装置

SLC
ニットー
東京特殊ガラス
ミツル光学研究所

海外の研削装置メーカー

ロジテック(英)
卓上型精密研磨装置 – ハイソル株式会社
卓上型精密研磨装置の製品案内|ハイソル株式会社

参考情報

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