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プローブカード〜AI/IoT時代の高性能/高信頼性を実現するデバイス用途にMEMS型が大活躍!

デバイス

半導体製造における品質管理の要となるプローブカード。その最新動向から基礎知識、市場規模、主要メーカーまで、業界のプロフェッショナルが徹底解説します。IoT時代の半導体需要増大に伴い、プローブカード市場も急成長中。この記事で、プローブカードの全貌を把握しましょう。

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プローブカードとは?

半導体検査の要

プローブカードは、半導体製造プロセスにおけるウェーハ検査工程で使用される重要な器具です。シリコンウェーハ上に形成されたLSIチップの電気的特性を検査するために用いられ、LSIチップの電極とLSIテスタを接続する役割を果たします。

高精度な電気的接触

プローブカードは、微細な針(プローブ)を備えており、これらの針をLSIチップの電極に正確に接触させることで電気的検査を行います。近年の半導体の高集積化・微細化に伴い、プローブカードにも高い精度と信頼性が求められています。プローブの位置精度、接触抵抗、耐久性などが重要な性能指標となります。

多様な検査ニーズに対応

現代の半導体デバイスは、ロジックIC、メモリ、イメージセンサー、パワー半導体など多岐にわたります。プローブカードは、これらの多様なデバイスの特性に合わせて設計されます。例えば、高周波特性が要求されるRF回路の検査用、高電圧・大電流に対応するパワーデバイス用、微細なバンプに対応するフリップチップ用など、様々な種類が存在します。

プローブカードの市場規模

急成長する世界市場

プローブカード市場は、半導体需要の増加に伴い急速に拡大しています。Global Industry Analysts, Inc.の調査によると、2023年に27億米ドルだった世界市場規模は、2023年から2030年にかけて年平均成長率(CAGR) 7.0%で成長し、2030年には44億米ドルに達すると予測されています。

地域別の市場動向

米国のプローブカード市場は2023年に7億4,170万米ドルと推定されています。一方、中国市場は2030年までに9億5,760万米ドルの規模に達すると予測され、2023-2030年のCAGRは11.1%と高い成長率が見込まれています。日本市場も3.0%のCAGRで成長すると予測されており、世界市場における日本の重要性が示唆されています。

成長を牽引する要因

プローブカード市場の成長を牽引する主な要因として、5G、AI、自動運転、IoTなどの新技術の台頭が挙げられます。これらの技術は高性能な半導体デバイスを必要とし、結果としてより高度なプローブカードの需要を生み出しています。また、スマートフォンやノートPCなどの民生用電子機器の普及も、市場拡大に寄与しています。

プローブカードの主な用途

メモリデバイスの検査

DRAMやNAND型フラッシュメモリなどのメモリデバイスの検査は、プローブカードの主要な用途の一つです。例えば、日本電子材料のMCシリーズは、多数のプローブを実装可能で、高密度なメモリチップの一括検査に適しています。メモリデバイスの検査では、高速動作や大容量化に対応した電気的特性の評価が重要となります。

ロジックICの検査

マイクロプロセッサ(MPU)やシステムオンチップ(SoC)などのロジックICの検査にも、プローブカードは欠かせません。日本電子材料のMTシリーズやVTシリーズは、狭ピッチ・エリアアレイ配列に対応し、高周波特性にも優れているため、最先端ロジックICの検査に適しています。ロジックICの検査では、高速信号の伝送特性や低ノイズ性能が重要となります。

イメージセンサーの検査

スマートフォンや車載カメラなどに使用されるCMOSイメージセンサーの検査も、プローブカードの重要な用途です。日本電子材料のVEシリーズは、光源用の開口部を確保しながら同時多数個測定を実現しており、イメージセンサー特有の検査要求に対応しています。イメージセンサーの検査では、光学特性と電気特性の両面からの評価が必要となります。

プローブカードの主な種類

カンチレバー型プローブカード

カンチレバー型プローブカードは、片持ち梁構造のプローブを使用する従来型のプローブカードです。日本電子材料のCEシリーズがこのタイプに該当し、ロジックIC向けを中心に幅広い分野で使用されています。構造がシンプルで扱いやすく、コスト面でも優位性があるため、依然として多くの半導体メーカーから信頼を得ています。

垂直型プローブカード

垂直型プローブカードは、プローブが基板に対して垂直に配置される構造を持ちます。日本電子材料のVSシリーズやVCシリーズがこのタイプに該当し、主にNAND型フラッシュメモリやMPUの検査に使用されます。垂直構造により、狭ピッチ化や多ピン化に対応しやすく、同時多数個測定が可能という特徴があります。

MEMS型プローブカード

MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)技術を用いたプローブカードは、微細加工技術により高精度・高密度なプローブ配置を実現します。日本電子材料のMCシリーズやMTシリーズがこのタイプに該当し、DRAMやNAND型フラッシュメモリ、先端ロジックICの検査に使用されます。MEMSプローブは、狭ピッチ・多ピン化に対応し、高周波特性にも優れているため、最先端デバイスの検査に適しています。

プローブカードの技術的な課題

微細化への対応

半導体デバイスの微細化に伴い、プローブカードにもより高い精度が求められています。チップの小型化と複雑化により、プローブとチップパッドの正確な位置合わせと接触が課題となっています。誤ったアライメントは、チップの損傷や測定精度の低下につながる可能性があります。この課題に対し、MEMSプローブカードなどの先端技術が開発されていますが、さらなる技術革新が必要とされています。

高周波・高速信号への対応

5GやAIなどの新技術の台頭により、半導体デバイスの動作周波数は急速に高まっています。プローブカードには、これらの高周波・高速信号を正確に伝送する能力が求められます。信号の反射や減衰、クロストークなどの問題を最小限に抑えつつ、高周波特性を維持することが技術的な課題となっています。この課題に対し、高周波設計技術や新素材の採用などが進められています。

高温・高電圧環境下での性能維持

パワー半導体などの特殊デバイスの検査では、高温・高電圧環境下でのプローブカードの性能維持が課題となっています。例えば、ニデックアドバンステクノロジーの「TCプローブカード」は、高温下でのデバイス表面温度の高精度測定を可能にしています。また、「加圧構造プローブカード」は、高電圧環境下での放電ダメージを防ぐ構造を採用しています。これらの技術は、EVや産業機器向けパワー半導体の検査ニーズに応えるものですが、さらなる性能向上が求められています。

プローブカードのトップシェアメーカー

  • FormFactor(米国)
    FormFactorは、プローブカード市場でトップシェアを誇る米国企業です。2018年の調査では、業界トップの座を維持しており、特にMEMS型プローブカードに強みを持っています。先端半導体デバイスの狭プローブピッチに対応できる技術力が評価されており、売上高は他社を大きく引き離しています。
  • Technoprobe(イタリア)
    Technoprobeは、近年急成長を遂げているイタリアのプローブカードメーカーです。2018年の調査では業界2位にランクインし、特に2016年以降の成長が顕著です。2017年9月にシンガポールに最新鋭のMEMSプローブカード工場を建設したことが、成長の大きな要因とされています。FormFactorと同様に、先端半導体デバイス向けのMEMS型プローブカードに強みを持っています。
  • 日本マイクロニクス(日本)
    日本マイクロニクスは、日本を代表するプローブカードメーカーの一つです。2018年の調査では業界3位にランクインしており、国内外で高い評価を得ています。同社は、カンチレバー型からMEMS型まで幅広いラインナップを持ち、多様な半導体デバイスの検査ニーズに対応しています。特に、高密度・高速・高効率な検査を可能にする先端プローブカード技術に強みを持っています。

参考サイト