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EUVフォトマスク・ブランクス〜先端リソグラフィーを支える超精密材料の全貌

EUVフォトマスク・ブランクス〜先端リソグラフィーを支える超精密材料の全貌 材料
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EUVフォトマスク・ブランクスとは

EUVフォトマスク(極端紫外線リソグラフィー用フォトマスク)は、13.5nmという極端に短い波長の光(EUV光)を使って半導体パターンをウエハに転写するためのマスクです。EUVリソグラフィーは現在3nm・2nmノードの先端半導体製造において不可欠な技術であり、TSMCのN3/N2、Samsung、Intel 18Aなどに採用されています。

フォトマスク・ブランクスとは、マスクパターンが書き込まれる前の「素材状態のマスク基板」のことです。EUVマスクブランクスは通常の光学系マスクと構造が根本的に異なり、反射型マスクを採用している点が特徴です。

EUVマスクブランクスの構造

基板

超低熱膨張ガラス(LTEM)が使用されます。SCHOTT社の「Zerodur」やコーニングの「ULE」が代表的な材料です。EUV光の照射による微小な熱変形がパターン位置ずれに直結するため、熱膨張係数が限りなくゼロに近い材料が必要です。

多層反射膜(ML膜)

Mo(モリブデン)とSi(シリコン)を交互に40層以上積層したMo/Si多層膜が、EUV光を反射します。各層の厚さは数nm以下で、1層あたりの厚さばらつきが0.01nm以下という超精密制御が必要です。

キャッピング層・吸収体層

多層反射膜の上にSiキャッピング層、TaBN吸収体層(パターン形成部)が積層されます。

EUVマスクの主要課題

マスクブランクスに存在するナノメートルサイズの欠陥は印刷欠陥として転写されます。欠陥密度の低減と検査技術の向上が最大の技術課題です。またペリクル(マスク保護フィルム)のEUV対応版として、超薄型のSiNやカーボンナノチューブ系フィルムが開発中であり、EUV光の透過率90%以上が求められます。

市場動向

EUVマスクブランクス市場は寡占度が極めて高い材料市場のひとつです。世界シェアのほぼ100%をHoya(日本)とSKSiltron(韓国)の2社で占めており、日本メーカーが圧倒的な支配力を持っています。High-NA EUV装置の商業化に対応したマスクブランクス開発も重要テーマです。

主要メーカー

  • Hoya(日本):世界最大のEUVマスクブランクスメーカー。世界シェアの50〜60%以上を保有とされる。
  • AGC(旭硝子)(日本):超低熱膨張ガラス基板の製造に強み。
  • SCHOTT(ドイツ):超低熱膨張ガラス「Zerodur」を供給。
  • Corning(米国):ULE超低熱膨張ガラスを供給。
  • S&S Tech(韓国):EUVマスクブランクス市場に新規参入し韓国産マスク材料の国産化を担う。

エンジニア視点の考察

EUVマスクブランクスは、半導体製造における「究極の精密材料」の一つです。1枚数百万円以上という非常に高価な材料であり、かつサプライヤーが世界で2〜3社しか存在しないという極端な寡占市場です。Hoyaが世界シェアの過半を独占しているという事実は、半導体サプライチェーンにおける日本の戦略的重要性を示す象徴例として、政府・業界双方からしばしば引用されます。High-NA EUV時代においてもこの優位性をどう維持・拡張するかが、日本半導体材料産業の重要な課題です。

材料
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