半導体産業は、2024年に6,000億ドルを超える市場規模へと急成長を遂げています。AI、IoT、5G通信などの新技術の普及により、半導体需要は飛躍的に拡大しています。特に、AIチップやHBM(High Bandwidth Memory)、自動車用半導体の需要が急増しており、市場をけん引しています。製造装置市場も拡大を続け、EUVリソグラフィ技術への大規模投資が進んでいます。地域別では、アジア太平洋地域と米州が市場回復を牽引し、米国ではCHIPS Actの影響で製造能力の大幅な拡大が見込まれています。一方で、地政学的リスクや環境問題、人材確保など新たな課題も浮上しており、業界全体でこれらへの対応が求められています。本記事では、急成長を続ける半導体市場の最新動向と将来展望について詳しく解説します。
半導体市場の最新ニュース
- 2024年4月の半導体市場は前月比1.1%増、2024年初となる前月比でのプラス成長を記録 SIA調べ
米国半導体工業会(SIA)の調査によると、2024年4月の半導体売上高は前年同月比15.8%増、前月比1.1%増の464億ドルとなり、2024年に入って初めて前月比でプラス成長を記録しました。特に米州市場が好調で、2024年は前年比25%以上の成長が期待されています。 - 半導体製造装置市場は2026年に過去最高の1394億ドル規模に、SEMIが2024年末予測を発表
SEMIは2024年の半導体製造装置市場規模が前年比6.5%増の1128億ドルで過去最高を更新する見込みだと発表しました。2025年には1215億ドル、2026年には1394億ドルとさらなる成長が予測されています。特にメモリ市場の回復が市場をけん引しています。 - ことしの半導体市場規模 予測を上方修正 去年比16%増見込む
世界半導体市場統計(WSTS)は2024年の半導体市場規模予測を上方修正し、前年比16%増の6112億ドル余りと発表しました。特にAI関連需要の拡大を背景に、メモリ半導体は76.8%増加すると予測されています。2025年も12.5%増の6873億ドル余りと成長が続く見通しです。 - AIは活況も車載/産業は低迷、SIが産業分野別で明暗分かれた2024年の半導体市場を総括
Semiconductor Intelligence(SI)の分析によると、2024年の半導体市場はAI関連(GPU)やメモリが活況を呈した一方、自動車・産業向け半導体分野は減速しました。ハイエンドスマートフォン向けプロセッサはプラス成長を遂げましたが、全体としては産業分野別で明暗が分かれる結果となりました。
半導体の世界市場動向
急成長する市場規模
半導体製品全体の市場規模は、2023年に5,270億ドルに達し、2024年には6,000億ドルを超える見込みです。世界半導体市場統計(WSTS)の最新予測によると、2024年の市場規模は前年比19.0%増の6,270億ドルに達すると予想されています。特に、メモリ部門が81.0%、ロジック部門が16.9%の成長を見込んでいます。
地域別生産動向
アジア太平洋地域と米州が半導体市場の回復を牽引すると予測されており、2024年にはそれぞれ17.5%と38.9%の成長が見込まれています。一方、日本は1.4%の緩やかな成長、欧州は6.7%の減少が予想されています。
成長が期待される分野
- 人工知能(AI):AIチップの需要が急増しており、特にHBM(High Bandwidth Memory)の需要が高まっています。HBMは2028年までに年平均成長率(CAGR)64%のビット成長と58%の収益成長が予想されています。
- 自動車産業:自動車用半導体市場は2023年に760億ドルに達し、今後5年間で1,170億ドルまで成長すると予測されています。
- 5G・6G次世代通信システム:5G技術の展開が半導体需要を押し上げており、今後も成長が続くと予想されています。
- IoT(モノのインターネット):IoTの拡大が半導体需要を牽引しています。
半導体製造装置市場の動向
市場規模の拡大
半導体製造装置の市場規模は、2023年の1,060億7,000万ドルから2024年には1,165億3,000万ドルに成長すると予測されています。さらに、2028年には1,724億8,000万ドルに達する見込みです。
主要プレイヤーの動向
TSMC、Samsung、Intel、Toppanなどの主要企業がEUVリソグラフィ技術に大規模な投資を行っています。EUVリソグラフィ市場は2024年に103億ドル、2029年には178億ドルに成長すると予測されています。
高額装置の需要増加
先進的なパッケージング技術への需要が高まっており、特にSystem-in-Package(SiP)や3D ICsなどの技術が注目されています。これらの技術は5GやAIアプリケーションに不可欠であり、高純度シリコンウェハーや先進的なフォトレジストなどの特殊材料の需要を押し上げています。
半導体材料・工場設備投資の動向
材料市場の成長
半導体材料市場は2023年に669億3,000万ドルの規模に達し、2024年には693億9,000万ドルに成長すると予測されています。さらに、2032年までに962億4,000万ドルに達する見込みで、2024年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)4.2%で成長すると予想されています。
工場設備投資の拡大
米国では、CHIPSおよびScience Actの影響もあり、半導体製造能力が3倍以上に拡大すると予測されています。90以上の新規製造プロジェクトが発表され、総額4,500億ドル近くの投資が28の州で行われる予定です。
投資の地域別傾向
アジア太平洋地域が最大の市場シェアを占めると予想されています。中東・アフリカ地域は2番目に高い成長率を示すと予測されており、技術とインフラ開発への投資増加が要因となっています。
以上のように、半導体産業は引き続き急速な成長を続けており、AI、IoT、5G通信などの新技術の普及に伴い、さらなる発展が期待されます。同時に、地政学的リスクや環境問題への対応、人材確保など、新たな課題にも直面しており、産業全体としてこれらの課題に取り組んでいく必要があります。
参考サイト
- 2024年4月の半導体市場は前月比1.1%増、2024年初となる前月比でのプラス成長を記録 SIA調べ
- 半導体製造装置市場は2026年に過去最高の1394億ドル規模に、SEMIが2024年末予測を発表
- 24〜25年半導体市況を見通す ―― WSTS春季予測はもっと強気でもよいのでは
- ことしの半導体市場規模 予測を上方修正 去年比16%増見込む
- AIは活況も車載/産業は低迷、SIが産業分野別で明暗分かれた2024年の半導体市場を総括
- 鬼は笑うかもしれないが…シリコンサイクルは2025年頭にはピークの可能性も ~半導体産業は”林”と”木”を、しっかり見極める必要がある~
- 2024 Global Semiconductor Market Outlook
- Global Semiconductor Industry Outlook 2024 Market Size, Share, Industry Growth, Trends & Analysis
- IDC: Global Semiconductor Market to Grow by 15% in 2025, Driven by AI
- Semiconductor Manufacturing Equipment Market Report 2024, Trends And Outlook 2033
- Semiconductor Materials Market: Better Things to Come in 2024
- 2024 Semiconductor Industry Outlook
- Semiconductor Materials Market Size, Share | Trends [2032]
- State of the semiconductor industry
- WSTS Semiconductor Market Forecast Fall 2024
- 2024 State of the Industry Report Underscores Opportunities and Challenges for U.S. Chip Industry