ウエハの平坦化〜CMP装置
CMP装置とは
CMPとは、Chemical Mechanical Polishingの略で「化学的機械的研磨」と呼ばれる工程です。この工程は、平坦化(Planarization)とも呼ばれています。
CMPとは、研磨の対象となるウエハ表面材料に応じた薬品を使って化学反応により溶かしながら、スラリーと呼ばれる砥粒により、ウエハをパッドに押し当てた状態で機械的に削るプロセス技術です。
処理部の主な構成は、プラテンと呼ばれるターンテーブルと回転駆動部、その上に載せられた研磨パッド、ウエハを保持する研磨ヘッド、ドレッサー、スラリーをターンテーブル上に供給するラインなどがあります。
CMPが使われる工程
CMPは、半導体の前工程、多層配線形成工程において重要な工程です。
CMP工程の出来栄えは、ウエハの厚さばらつき度合いを示すTTV(Total Thickness Variation)、表面粗さ、外観、エッジ形状などで評価されます。
プロセス上、重要なパラメータは、面内膜厚均一性です。
層間絶縁膜(ILD)、STI(Shallow Trench Isoration)の平坦化ではSiO2膜の平坦化を行います。
Wプラグの工程では、W-CVDにより全面に成膜されたタングステン膜の平坦化を行い、プラグ部分のタングステンを残します。
Cu配線の平坦化では、全面に成膜されたCuダマシンめっき膜の配線として残る部分を残し、SiO2が表面に現れるまで研磨を行います。
SiO2とCu配線のハイブリッド接合においては、前工程となるCMPが重要な役割を果たしています。ハイブリッド接合はSiO2を接合後にCuの熱膨張によりCu面を接合することから、CMPにおいて、ウエハ表面のSiO2とCuの段差を数nmオーダーで制御することが求められます。これを実現するためにCMPスラリーの成分調整により膜表面の反応速度をシビアにコントロールする必要があります。
CMP装置の市場規模
2022年におけるCMP装置の市場規模は20億ドルと見積もられています。
多層化によりデータ記録密度を高めるNANDフラッシュメモリ、Cu配線の多層化が必要となるロジックが市場の多くを占めています。
CMP装置メーカー
国内メーカー
荏原製作所
東京精密
テクノライズ
CMP装置 海外メーカー
アプライドマテリアルズ(米)
ケメット(英)
ケメットジャパンが販売代理店をしています。
ロジテック(英)
ハイソルが販売代理店をしています。
Entrepix
Revuasum
ファーストゲートが販売代理店をしています。
フィルター・研磨パッド
日本ポール
アンカーテクノ
参考サイト
https://www.kanto.co.jp/dcms_media/other/backno8_pdf07.pdf